立ちくらみは貧血?貧血は息切れ、動悸から?即効性のあるものは?

貧血というと女性に多い病気というような認識があると思います。

確かに女性には、生理によって血が失われるので、鉄が不足して貧血になることがあります。

食事制限のダイエットをしている人にも見られるでしょう。

が、意外と男性や健康そうに見える運動をする人にも見られるようです。

今まで、全く貧血に無縁の人でも鉄が不足すれば、貧血になりますので全ての人が貧血予備軍と言えるでしょう。

今日は、貧血の種類と気を付けたい貧血のシグナルついて紹介します。

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立ちくらみは貧血?

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まず、貧血とは、血色素であるヘモグロビンの値が減ってしまっている状態です。

貧血は、鉄の不足で起きる身近な栄養の欠乏症でもあります。

立ちくらみがすると、「あれっ!貧血!」と多くの人が思うでしょう。

「貧血」であることに間違いはないのですが、「脳貧血」といわれるものです。

通勤電車の中でふらっとしたり、椅子から立って立ちくらみを起こして、貧血ではないかと心配していたことがある人もいるでしょう。

それらも体調不良のシグナルの一つではあります。

しかし、いわゆる「脳貧血」とは、「起立性低血圧」という血圧の調節障害の症状であり、貧血とは違います。

座っている状態から急に立ち上がったり、脳への血液の巡りが一時的に不足することが原因で起こります。

そして貧血は、最初にも紹介した通り、血色素であるヘモグロビンの値が減ってしまっている状態です。

ヘモグロビンは、鉄を含むヘムという赤い色素と、グロビンというタンパク質からできている複合タンパク質です。

ヘムは鉄と結合している事により、酸素と結合し運搬する事ができます。

鉄分の不足するということは、ヘモグロビンが減り、血液中の酸素量が減ってしまうということです。

そして、貧血には立つや座るなどの姿勢とは関係なく、頭など全身への酸素の供給が減る状態を言います。

立ちくらみを心配する必要がないというわけではありませんが、正しく症状を捉える事で最善の対処ができるでしょう。

貧血は息切れ、動悸から?

先に貧血の症状と思われがちなもので、立ちくらみについて紹介しました。

逆に、貧血の症状でありながら、見落としがちな症状に「息切れ」があります。

加齢や運動不足によるものと考えて無視してしまいがちですが、貧血になると、真っ先に現れやすい症状です。

最近、「坂道や階段で息切れがや動悸するようになった」という人は注意しましょう。

そして貧血を放置すると、酸素を全身に運びきれなくなるため、それを補おうとする心臓に負担がかかって、安静にしていても心拍数が増えて頻脈になったりします。

さらに悪化すると、心不全を引き起こす原因にもなります。

貧血は、よく耳にする身近な病気ですが、その内容までは知られていないことが多いと思います。

また、誰でも受ける健康診断で貧血を指摘されて、知りながらも放置する人も多いでしょう。

貧血の70%は、鉄の不足で起こる「鉄欠乏貧血」といわれていますから、食生活などの改善で対応できます。

しかし、それ以外に原因の場合もありますので、もし貧血と診断されたら、一度「内科」に行くことをおすすめします。

貧血に即効性のあるものはあるの?

既に貧血というなら病院に行って注射を打ってもらうのが最も即効性があります。

また、病院で鉄剤が処方されますので、今後の鉄分の補給もそれで良いでしょう。

貧血予備軍の方は、食事で貧血予防の栄養を補給していきましょう。

推奨されている1日当たりの鉄分の摂取量は、大人の男性では7.5mg、女性では10.5mg(月経のない女性は6.5mg)です。

鉄分の多い食品の一覧を以下に紹介します。

食品100g当たりの鉄の含有量 単位はmg
豚レバー 13 しじみ 5.3 油揚げ 4.2 牛肉たん 2.5
鶏レバー 9 赤貝 5.0 米みそ白 4.0 そら豆 2.1
パセリ 7.5 うなぎの肝 4.6 牛レバー 4.0 小松菜 2.1
豆みそ 6.8 いわし丸干 4.4 あさり 3.8 かつお 1.9
卵黄 6 米みそ赤 4.3 納豆、枝豆 3.3 さんま 1.4

表を見るとけっこう簡単に補えそうだと思いませんか?

鉄には吸収率があるため、食べた物を全て吸収できるわけではありません。

そして、食品中に含まれる鉄には、動物性食品に多く含まれており「ヘム鉄」と野菜など植物性食品に多く含まれてい「非ヘム鉄」があります。

この2種類は、体内での吸収率です。

「ヘム鉄」の吸収率は10~20%であり、「非ヘム鉄」は2~5%です。

鉄分を摂る目的だけで食事をするならば、ヘム鉄の多い動物性食品ばかりを食べればいいのですが、栄養バランスがあるので、どちらかのみを食べるということはありません。

実際に、日本人が食事から摂取する鉄の85%以上が非ヘム鉄からのものです。

また、1日に汗や尿などで鉄が排出される量も1mgあるので、積極的に鉄を摂取しないと、すぐに不足してしまいます。

さらに女性は生理で、1日に換算してさらに約0.5mgの鉄が損失されます。

これらを食事で効率的に補うためには、食事のバランスが大切です。

鉄の他にもヘモグロビンなどの材料になるたんぱく質・鉄の吸収を高めるビタミンCの摂取も大切です。

鉄もたんぱく質も多い牛肉やレバー、カツオなどの赤身の魚、ビタミンCが多い緑黄色野菜、果物などは特におすすめできます。

赤血球が作られるのに必要な「葉酸」や「ビタミンB12」摂りましょう。

葉酸の多い食品はホウレンソウ、アスパラガス、ブロッコリー、納豆など、ビタミンB12の多い食品はレバー、魚介類、チーズなどです。

鉄の吸収を妨げるタンニンやビタミンB12を吸収を妨げるカフェインを含むコーヒーや緑茶とウーロン茶などの飲み物は、時間をずらして飲むのが良いようです。

そして、鉄は胃酸が分泌されると吸収されやすくなりますので、梅干や酢などの酸っぱいものを食べたり、よく噛んで食べたりするとより吸収率が高まることが期待できます。

まとめ

貧血についての紹介どうだったでしょうか?

こうやって、貧血を知ってみると実に誰にでも起こりうる病気であることを認識しました。

しかも、心不全の原因にもなるため、無視できない病気です。

貧血予防は、毎日の食事からしっかり摂ることが必要です。

余談ですが、貧血に似たような疲れやすい、めまいなどを起こすもので低血圧があります。

低血圧は、心臓から血液を送り出す力や、手足の末梢から心臓に血液を送り返す力が低下し、全身の血液循環が悪くなる状態です。

次の機会に低血圧に関連することを紹介したいと思います。