お酒を飲むとかゆくなるのはなぜ?どうすればいい?ならないためには?

お酒を飲むと体がかゆくなってしまう。

そんな声を聞くことがあります。

かゆみの原因としては、様々なものが考えられますが、お酒を飲んでからかゆくなるということで限定すると、特定するのは難しいですよね?

そこで、今回はお酒とかゆみの関係について原因や対処法を紹介します。

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お酒を飲むとかゆくなるのはなぜ?

お酒を飲むとかゆくなるのはなぜ?どうすればいい?ならないためには?

かゆみの起こる原因には、日光、温熱、寒冷、乾燥などの物理的刺激よるもの、化粧品、洗剤、薬物などの化学的刺激、他にもアレルギー、虫刺され、内臓の不調など様々な原因があります。

これらの原因で湿疹、蕁麻疹(じんましん)、皮膚炎を起こしかゆくなることが多いと思うのですが、これらの原因とお酒の因果関係やお酒自体がかゆみの原因になる可能性はあるのでしょうか?

まずはお酒とかゆみの関係について、紹介しています。

お酒を飲むとかゆくなる原因

お酒の作用の一つに血行を促進して体温を上昇させる効果がありますが、この効果がかゆみの原因となることがあります。

お酒を飲んで血行が良くなると肌が敏感になって、かゆみを感じやすくなってしまい、普段は何ともない外的な刺激でも、かゆくなることがあります。

特に急激に血流が変わるとかゆみを感じやすくなるので、普段から血行が悪い人は、この原因でかゆみが発生しやすくなります。

運動後や入浴後などをして体温が上がるときに、同じように体がかゆくなるという方は、血行促進がかゆみの原因かもしれません。

そして、最初にかゆみの原因には様々あると紹介しましたが、どの原因のかゆみであっても、お酒の作用でかゆみを悪化させてしまうことがあること知っておいて下さい。

お酒でできた蕁麻疹のかゆみ

お酒を飲むと体が温まって、汗をかいたりすることってありますよね?

急に皮膚の温度が上がった時にできる蕁麻疹で「温熱蕁麻疹」というものもあります。

お風呂などの温水や暖房機器の温風のような温かいものが刺激となり、冬に多く発生し、全身または局所的に蕁麻疹が出来たり、痙攣や脱力感を生じることもあるそうです。

さらに体温が上がったことに関連したことで言えば、汗をかいた時にできる「コリン性蕁麻疹」ものもあり、これは汗をかいた部分に蕁麻疹ができます。

こちらは夏に悪化しやすく、夜間には出にくく、手のひらや足の裏には出ず、10~20歳代に多い傾向があるという特徴があります。

「温熱蕁麻疹」も「コリン性蕁麻疹」詳しいメカニズムは明らかではないようですが、発汗に関係するアセチルコリンという神経の伝達物質が関係しているのではないかと考えれられているそうです。

お酒を飲んだ時に体が温まって、汗をかいたりしていたならば、これらの原因も考えられるでしょう。

お酒と脱毛とかゆみ

エステなどで脱毛をされる方は、ご存じかもしれませんが、脱毛をする前後12時間程度の飲酒は控えないといけません。

これは、脱毛で刺激された部分がお酒をのみ血行が良くなり肌が敏感になることで肌が赤みやかゆみを起こすことがあるからです。

お酒とあせもとかゆみ

あせもというと小っちゃい子がなっているイメージがありますが、当然大人もあせもが出来ます。

特に夏場はどこも節電で、どこに行っても少し動くと汗をかいてしまう温度設定です。

汗がたまりやすい下着のゴムやひもの部分や関節部分にあせもはできやすいです。

そして、お酒を飲むことで、何度も紹介している通り血行がよくなり、気にならない程度であったかゆみをよりかゆく感じるようになります。

お酒のアレルギーでかゆみ

お酒を飲むと毎回かゆくなる方は、アルコールアレルギーの可能性も考えられます。

アレルギーの場合は、かゆみ以外にも吐き気、下痢、蕁麻疹、鼻水、鼻づまりなどの症状が出ることがあります。

特定のお酒でそれらの症状が出る場合は、アルコール以外の成分であるかもしれません。

どちらにしても、何のアレルギーかを知るためには検査が必要です。

お酒で花粉症のかゆみが悪化

花粉症はアレルギーの一つで症状も様々ですが、よく知られている症状に目や鼻のかゆみがあります。

やはりここでも、お酒の作用でかゆみを増してしまいます。

花粉症のかゆみの症状が軽度でも、かゆく感じてしまうでしょう。

また、アルコールは炎症を起こした鼻の粘膜を腫れさせてしまうので、より鼻づまりが悪化してしまいます。

こうした結果、花粉症の時期だけアルコールを断っている方も少なくありません。

お酒のかゆみはヒスタミンにあり?

ヒスタミンというのは、免疫反応に関与している物質で、痛みやかゆみを感じる神経に作用してかゆみを起こすのに関わっていると考えられています。

ヒスタミンは、体内でも生成されますし、食べ物や飲み物などで外部からも、取り込まれます。

そして、ヒスタミンを過剰に摂取したり生成されたりするとアレルギーに似た症状(仮性アレルギー)を起こすことがあります。

お酒の中では、赤ワインにヒスタミンが多く含まれており、ヒスタミンに対して敏感な体質の方では、かゆみを誘発したり、悪化させたりすることがあるようです。

白ワインでは大丈夫で赤ワインだとなってしまう場合はこのケースに該当するかもしれません。

また、ワインやビールなどに酸化防止剤として使われていることがある亜硫酸が、蕁麻疹を起こす原因になることもあります。

ちなみにワイン以外にもチーズ、ほうれん草、トマト、ナス、セロリ、トウモロコシ、ジャガイモにヒスタミンが多く含まれています。

お酒のかゆみは肝臓のシグナル?

お酒と深い関係のある臓器と言えば、肝臓というのはお酒を飲む方であれば誰もが知っていることでしょう。

肝臓は、アルコールを分解する役割以外にも、消化吸収を助ける胆汁を生成したりなど、なんと約500以上の仕事をこなしていると言われる忙しい臓器です。

お酒を大量に飲んでいたりすると、その忙しい臓器に、さらに負担を掛けるわけですから、機能は低下していくというのは想像に難くないですよね。

そのように肝臓の機能が低下すると、アルコールの分解も遅れて、長く体内に残ってしまいます。

アルコールは体にとっては毒素ですから、蕁麻疹を起こす可能性はあります。

また、かゆみは肝臓病の代表的な症状でもあります。

肝臓病のかゆみは薬が効きにくい上に、ひどい場合は夜も眠れないほどかゆいそうです。

皮膚に全く異常が見られないのに、かゆいのであれば肝臓からのシグナルかもしれません。

肝臓病について、以前取り上げたことがありますので、気になる方は一度ご覧ください。

お酒でお腹にまだら模様になるのはナゼ?どうする?ならないためには?

お酒を飲んでかゆくなったらどうすればいい?

お酒を飲んでいてかゆくなったら、当たり前のことですが、まずはお酒を控えます。

そして、かゆい部分を掻いてしまうと、よりかゆみを促してしまい悪循環に陥りますので、掻いてはいけません。

でもかゆいままだと辛いので、応急処置として冷たいおしぼりやタオルで患部を冷やしましょう。

ただし、肝臓病からくるかゆみは性質が違うため、かゆみ止めなどの薬や冷たいおしぼりでも効果はうすいです。

そうした場合は、病院で専用の処方をしてもらうほかありません。

お酒を飲んでかゆくならないためには?

今回は、お酒によるかゆみについて紹介しましたが、どの原因であったとしても、お酒の飲む量は適量でないといけません。

厚生労働省が発表しているお酒の適量は、1日にビールの中ビン(500ml)1本分です。

厚生労働省の考えでは「節度ある適度な飲酒」は、“1日平均純アルコールで約20g程度”としています。

純アルコール量の計算

酒のラベルには、中に含まれるアルコールの度数が書かれています。この度数は、体積パーセント(%)を意味します。
度数5または5%のビールとは、100ミリリッター(mL)に、純アルコールが5mL含まれているビールということです。
通常、純アルコール量は、グラム(g)で表わされます。5%のビールの中ビンまたはロング缶1本(500mL)に含まれている純アルコール量は、アルコールの比重も考慮して、以下のように計算します。

500(mL) × 0.05 × 0.8 = 20(g)
酒の量(mL) × 度数または% / 100 × 比重 = 純アルコール量(g)

主な酒類の換算の目安

お酒の種類 ビール
(中瓶1本500ml)
清酒
(1合180ml)
ウイスキー・ブランデー
(ダブル60ml)
焼酎(35度)
(1合180ml)
ワイン
(1杯120ml)
アルコール度数 5% 15% 43% 35% 12% 純アルコール量 20g 22g 20g 50g 12g

この考えに基づくと適量はビール中ビン500ml1本ということになります。

高齢者の方や女性の方はさらに缶ビール350ml1本程度に控えるべきだと推奨されています。

酒飲みからすると、なんとも寂しい量かもしれませんが、完全にお酒を飲む適量はそれくらい無視されており、感覚がマヒしているということです。

また、特にお酒を飲んですぐに赤くなってしまう方は、お酒を分解が遅いため、ガンや臓器障害を起こしやすいと考えられており、より注意が必要です。

そして、「1日当たり平均純アルコールで約60g」以上のお酒を飲んでいる方は、「多量飲酒者」と位置づけており、“健康への悪影響のみならず、生産性の低下など職場への影響も無視できない”としています。
引用元:お酒でお腹にまだら模様になるのはナゼ?どうする?ならないためには?

一般的に見て、毎日お酒を飲むほどお酒好きな方は、ビールの中ビン(500ml)1本分では済まないと思いますが、少なくとも翌日にお酒が残らない程度の自分の適量を知っておくことです。

アルコールはビタミンの吸収を阻害するため、大量の飲酒はビタミン不足による肌の乾燥の原因になります。

乾燥は肌を敏感にして、かゆみを含む肌荒れの元になりますし、アトピーなどで元々肌が弱い方では悪化させてしまいます。

そして、様々な原因を紹介しましたが、自己判断してしまうと、大変な病気を見過ごしてしまう可能性もあります。

たかがかゆみと思わず、病院で検査をして下さい。

症状が軽い内に病気が見つかれば幸運ですし、何もなければ安心です。

明らかに内臓系が悪いと分かっているなら、内科に行くべきですが、かゆみという枠組みで考えるなら皮膚科が幅広く検査してくれるでしょう。

まとめ

お酒とかゆみについて、参考になりましたでしょうか?

自分の体は自分が一番知っていると自負している方がほとんどだと思いますが、分かることってほんのちょっとですよね。

お酒を楽しめるのは健康だからだと思って、自分の体を労わらないといけません。