カルシウムの不足は病気の元?不足する原因は?解消するには?

カルシウムといえば、骨を丈夫にする栄養素として有名でしょう。

成長期の子どもや、骨粗鬆症になりやすい女性は、不足に気を付けたい栄養素としても知られています。

実はカルシウムの働きは、骨を丈夫にするだけではありません。

そして、特に大人の男性にもおすすめしたい栄養素です。

今日は、カルシウムについて紹介します。

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カルシウムの不足は病気の元?

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冒頭で紹介したように、カルシウムといえば骨を丈夫にする栄養素として有名です。

それ以外にも、カルシウムはホルモンの分泌、血液の凝固、筋肉の収縮、神経の伝達など、体のさまざまな機能を調節する大切な役割を担っています。

カルシウムの不足が原因でなる病気?

カルシウム不足が原因の症状として有名なのは、骨粗鬆症があります。

骨粗鬆症は、骨がスカスカになりもろくなってしま病気です。

この骨粗鬆症の予防にカルシウムが良いという話は有名でしょうし、これが「カルシウム=骨を丈夫にする」というイメージにつながっているのでしょう。

しかし、カルシウム不足が招く病気はこれだけではなく、「がん」にも関係している可能性があります

「がん」は日本人の死因第1位であり、「大腸がん」はその中でも上位である上、男女ともに患者数が多い病気です。

そして、特に男性の罹患率は女性の約2倍で、50代から増加し始めるといわれています。

カルシウムの不足と大腸がん

最近の研究でカルシウム不足は大腸がんの原因になるのではないかということが、明らかになってきています。

研究では、男性でカルシウムを多く摂取する人は、少ない人に比べて、大腸がんのリスクが40%近く低いことが分かったようです。

そして理屈もあります。

肝臓で食物脂肪を吸収しやすくするために合成された胆汁を一次胆汁酸と言います。

また、その中の一部は腸管で微生物による変換を受け、その代謝物はとなった胆汁を二次胆汁酸と言います。

この二次胆汁酸が、腸管の細胞を刺激してがんの発生を促進すると言われているのです。

そして、なんとカルシウムは、二次胆汁酸と結合して便として排出してくれるのです。

また、カルシウムの吸収を助けるビタミンDも多くとっている人は、さらにリスクが低かったという結果もあったようです。

【参考:多目的コホート研究(JPHC研究)】

ビタミンDについて紹介した記事がありますので、ご興味があれば目を通してみてください。

⇒ビタミンDは皮膚で合成される?欠乏すると?ビタミンDをつくろう!

大腸がんの予防には運動や食物繊維の摂取が有効だが、男性の場合、カルシウムも有効なことがわかっている。

カルシウムが不足する原因は?

カルシウムは、男女、世代を問わずに日本人に最も不足している栄養素でしょう。

そして、男性は「大腸がん罹患率が女性の約2倍カルシウムの摂取量が少ない人が多いようです。

しかし、なぜカルシウムが、こんなにも不足しているのでしょうか?

おそらく、カルシウムは多く含まれている食べ物を食べる機会がないということと、カルシウム自体が吸収率の悪い栄養素であるからでしょう。

カルシウムを多く含んだ食品と言えば、牛乳を思いつくでしょう。

牛乳を飲んで吸収できるカルシウムは約40%と言われています。

他にも小魚の吸収率が約30%、野菜の吸収率が約20%程度です。

この吸収率を考慮した上で、カルシウムの多い食品を選ばないと知らず知らずのうちに不足してしまいます。

カルシウム不足の日本人?

また、日本人がカルシウムが不足している理由として「水」が挙げられます。

日本の水は軟水でカルシウムの含有率が低く、植物のカルシウム分も硬水のヨーロッパなどに比べて少ないからです。

カルシウムの一日の推奨量及び実際の摂取量は、次の通りになっています。

男性 女性
年齢 推奨量(mg) 摂取量(mg) 推奨量(mg) 摂取量(mg)
20~29歳 800 445 650 405
30~39歳 650 454 650 441
40~49歳 650 443 650 420
50~59歳 700 473 650 490
60~69歳 700 550 650 540
70歳以上 700 590 650 521

 

ご覧の通り、摂取量が少ないことが確認できます。

また、男女の摂取量に差がないのに対して推奨量は、男性の方が多めです。

ちなみに牛乳1杯(180g)で198mgのカルシウムが含まれています。

吸収率は、約40%ですので、198牛乳を一日に8~10杯飲めば、推奨量に達することができます。

出来そうでしょうか?

私は、お腹が弱いので無理です(´_`。)グスン

カルシウムの不足を解消するには?

カルシウム不足は、毎日の食事で解消したいところですが、摂取の仕方に注意しましょう。

カルシウムは、摂取量が少ないと吸収率が高まり、摂取量が多いと吸収率が低下するという特徴もある栄養素です。

つまり、カルシウムを効率よく摂るには、1度にたくさんとるよりも、毎食少しずつ摂るほうが良いということです。

先ほどの内容で、「牛乳1日8~10杯なら余裕だな」と感じた人もいるかもしれませんが、念のためにカルシウムを摂取出来る食品を一覧にしてみました。

カルシウムの不足を解消する食品一覧

種類 食品名 含有量
乳類 牛乳 1杯(180g) 198mg
プレーンヨーグルト 150g 180mg
プロセスチーズ 1切れ(20g) 126mg
魚介類 干しえび 3尾(9g) 639mg
丸干しいわし 2尾(50g) 220mg
ししゃも 3尾(50g) 165mg
うなぎの蒲焼き 1串(100g) 150mg
ちりめんじゃこ 大さじ2(10g) 52mg
豆類 もめん豆腐 1/4丁(75g) 90mg
納豆 1パック(50g) 45mg
野菜類 モロヘイヤ 1/4束(60g) 156mg
小松菜 1/4束(80g) 136mg
大根の葉 50g 130mg
水菜 1/4束(50g) 105mg
チンゲンサイ 小1株(80g) 80mg
切り干し大根 1/4袋(10g) 54mg
その他 乾燥ひじき 5g 70mg
いりごま 小さじ1(3g) 36mg

 

これだけあれば、何らかの形で少しずつ摂れそうな気がしませんか?

いりごまは、気を使えばどんな料理にでも振りかけて食べれます(*^^)v

そして、喫煙と飲酒は、カルシウムの吸収を悪くするようなのでカルシウムを摂る目的で食事する時は、控えた方がいいでしょう。

まとめ

カルシウムについてどうだったでしょうか?

私自身もそこまで意識をしていませんでしたが、相当カルシウムが不足していると思います。

最近は、カルシウムには抗肥満効果、HDL(善玉)コレステロール増加効果、血圧低下効果などがあることがわかってきたこともあり、ますます注目です。

健康に人生を楽しみたいものです。